虫の音が聞こえる。
私の好きな秋が来たのかしら?又恋の予感がするわ、、、。
繰り返す。そう繰り返す、、、。
毎夜の星のまたたき、朝がきて夜が来る、、、。
美しいものは繰り返すのよ。
虫の音が止んだわ、、、誰かくる!
「僕は多くの貌を持つ者です。多すぎて今では
どれが本当の自分なのか判らなくなっています。
虫の音が綺麗な夜、こんな夜は人肌が恋しいのです。
昔誰かにこんな事を言った様な気がします」
「私は優しい良い吸血鬼。あなたとほんの少しの
温かさを分かち合いましょう」
「もし今、そうしなければ、この身体から流れる
ささやかな温みは、ただ虚しく夜に消えて
ゆく事でしょう」
虫の音の中で、愛の舞踏が又始まる。
美しいものは繰り返される。太古の海に生命が誕生して以来
その舞踏は繰り返されてきた。