喪服の色は黒だけれど
この洋服を良くみて頂戴
衿には白いフリル
布地は本当の黒ではないし
裾には涙の水色が縫い付けてある
だからこれはあなたの為の喪服ではないの
黒の世界に住む少女は
何時の日にか
真の黒い世界の女にならなければ…
白いフリルと、涙の水色を取り去って
本当の暗闇にもう一歩近づいた時
もしかしたら…
私はその世界の中心になれるかも…
黒い服で、日の光など浴びたくないわ!
黒は深みを失い、白くなってしまうでしょう?
月の優しい光の中で、
黒い世界に顕れる更なる影の様に
踊ってあげるわ
これは、この世界に住んでいるといいながら
そこに立ちすくんでいる、あなたに捧げる踊りなの
だからこれは決して
あなたの為の喪服ではないのよ
別伝・My story of love 14