2007.06.15
以前古道具を色々紹介した事があるが、僕には三人の師匠がいる。
古民具は「何でも鑑定団」の安岡路洋さん、中国陶器は西田さんという人(この人とは滅多に会わない)。
そして、僕の大好きな伊万里焼などの、日本の物は関口幸夫さんに教わった。
でも今日は、古道具に関しての話題ではない。
関口幸夫さんには三人の娘さんがいる。僕が彼の家に遊びに行くと、よく次女の英子ちゃんというのが、
僕達の話している横で、でんぐり返しをしていたものだ。 何しろ小学生の三年生ぐらいだからね。
そして時が移り、何時のまにか彼女はイタリア語の翻訳者になっていた!
イタリア人と結婚したので、それは強みです。
英語、フランス語、イタリア語に堪能なのは知っていたし、
映画などの日本語字幕の仕事についていたことも知っていたが、
まさか幻想文学を、本格的に訳せる迄になっていたとは知らなかった!
幻想文学については、イギリスなどのはある程度知っていたが、イタリアにもこんな変わった作家が居るとは
知りませんでした! 「神を見た犬」というタイトルの文庫本です。
作者・ブッツァ-ティという人で、訳者は関口英子です。
光文社古典新訳文庫、686円ですよ。
読んで下さると嬉しいです。 何しろ関口幸夫氏は僕の絵のコレクターでもあるのです。
宣伝してあげなくては。そう思うでしょう?
それにしても、あのでんぐり返しをしていた娘がねえ-、僕も歳をとるわけです。
2007.08.31
古道具を遣る仲間に、時計を専門に集めている、鈴木三義さんという人がいる。
この人は元英語の教師で、今は親から受け継いだ商人宿・星河屋を遣っているのだが、
色々趣味を持っていて、その一つに日本蜜蜂を飼うというものがある。
実に蜂に詳しい。我が家には勝手に納戸や、玄関にベンチの足として据え付けてある、
ウイスキ−樽に日本蜜蜂が巣を作る関係で、時々遊びに来る。蜜蜂に関する僕の師匠です。
その彼が今回、親の代からの商人宿のお話、「星河屋物語」を、「光芸出版」から出した。初版は8月25日。
本屋には後2〜3日で並ぶ。これは微力ではあるけれど、宣伝してあげなければ!
読んでみたところ、実に面白い!僕は知り合いが出版しても、面白くなければ、他の人には勧めない。
迷惑を掛けるからね。 彼は絵を描いた事が余り無いと言っているが、とても絵柄にあじがある。
本屋で見かけたなら、手にとってみて下さると嬉しいです。
潤 2008 雨の七夕の夜に・舞踏家・吉本大輔 さんの為に
過剰な肉体への、愛故のタナトス
限度を超えたものが美しいとするなら
それは終わりが始まりを意味するという
メビウスの輪を含んでいるから
人間を超えたものが、もしあるとするなら
それに祈りを奉げる時は
舞踏に限らず絵も詩も
命を掛けることは理にかなっている
では、存在しない場合は?
そう、それが今だ抜く事が出来ない
この身に取り残された棘なのだ
もう何十年の間、その棘を除こうとして
もがいたことだろう…
そして気がついた!
棘など抜く必要はないのだ…
この肉体を御覧あれ!
時間と供に大きく成長した棘が今や自分自身で
外の世界に飛び出そうとしている