mixi選抜日記


2011年05月30日 マイミク yamanvaさんの日記ヘノ書き込み


愛というものの罪は、対象を失ったときに解消される

愛が罪?
そう、全てのものは、「贖わねばならぬ」という掟がある
愛の喜びは、失った時の悲しみをもって本来の「空」に戻る

これは、全てのものが無意味だということではない

時間の経過が綾なす人生の織物は
何処に書き込まれなくとも、確かに存在する

容が見えなくとも、大切なものはいくらでもあるのだ

冥い波と風が去った遥か昔
蒼い海を見つめている
一つの愛があった


2006.06.01

珍しく日記を書くことにする。
何故なら昨日とても美しい、Eという魔女と知り合いになれたから。
未だ知り合いだけで、友達にはなってはいない。
魔女と魔法使いには、厳しいル−ルがあり、
相手とほぼ同格の力を持っている場合にしか、友人にはなれない。
何故なら、力が均衡していたなら、喧嘩した時に引き分けとなり、
蝦蟇にどちらかが変えられる惧れがないからだ。嘘だけれど。

魔女、魔法使いといっても、箒に乗って空を飛ぶのは、童話の世界の話で、
そんなことを真面目に言ったなら笑われる。
魔女も魔法使いも要するに心掛けの問題なのだ。

それでは昨日知り合いになれた、美しい女性が何故魔女かというと、
普通なら致死量のアルコ−ルを飲んだのに、生きていられるし、
大金を懐にして、一人で意識を失うくらい飲んで、ベンチでひっくり返って寝ていても、
誰もそれを盗むことなど出来はしないし、勿論彼女に指一本も触れられない。
それには訳がある。

彼女は伊達に、ラム酒やジンやテキ-ラを飲んだのではない。
タバコを吸わないのにライタ−を持っているのは、もしも不埒な人間が現れたなら、
勢い良く吐き出した息に火を付けて撃退するのだ。
魔女を甘くみると、黒焦げにされてしまう。
皆も気を付けよう。
初めての日記としては、こんなものでどうでせう?

2006.06.03

魔女Eに、どうして友達になってくれないの?と聞いてみた。
こんなことを僕に言うのです。
「あなたは丸裸になって、街を駆ける事が出来ますか?」

「とんでもありません!そんなこと出来ません!」

「さっきから、ジュ−スばかり飲んでいますが、お酒は飲めないのですか?」

痛いところを突かれてしまった…僕の最大の弱点は、酒はまるで駄目、
タバコは吸えない。パチンコは大昔左手で玉を一個づつ入れて
打つのしか遣ったことがない。100円あったら一日中遊んでいられたんだよ」

「僕は以前、美しい女の人に、酒を飲めない人を私は画家と認めません」と厳しく言われた事がある」

たたみかける様に魔女は言った。
「じゃあ、あなたは一体何が出来るというのです?」

「ぼ、僕は都々逸を聞くことが、きっと出来ます」

「都々逸ですって?」

「美しい女性に膝枕をして貰い、僕は鼓を打つのです。勿論女性は
都々逸を唄ってくれなくてはなりません」

魔女は何故に美しいか知っているだろうか?
彼女達は、美しくなれる秘薬の造り方を良く知っている。例えアパ-トに住んでいたとしても、
眼を瞑ればカボチャを馬車に変え事は簡単なことだし、何よりも誇りを持って夢の中で生きている。

魔女Eは僕の膝枕の話を聞くと、あたいを睨まえてから頭を撫でて、夜の街に消えて行った。


2006.10.01
月光雨花・俳句集「なきほたる」の為の挿絵







2007.03.13

今回渋澤展を遣る事になり、色々動き回っている内に、何と!大昔に僕が彼に書いて貰った、
個展パンフレットの原稿が見つかりました!
僕がのんびりしている所為もあり、僕自身生原稿を一度も見る事もなく行方不明になっていたものです。
手にして初めて見た時は感激でしたよ。
危うく、マルキ・ド・サドの手紙をコレクションしている人物の手に渡るところでした。教えてくれた人に感謝です!
だって、この原稿を持つ資格のある人は僕が一番ですよね。
僕のパンフレットのなのだから。
骨董の世界や、絵画コレクションの世界では、品物の出所が何故か秘密にされることが多いです。
だから、何処で発見されたか聞かないで下さいね。
僕は彼の大フアンですから、大切な宝物として保存します。
渋澤さんのフアンでない人には、今日の日記は余り面白く無かったかも知れませんね。
この原稿は、渋澤さんの本当に初期のものなんですよ。
正真正銘の生原稿なんですよ。


  





2007.06.15


以前古道具を色々紹介した事があるが、僕には三人の師匠がいる。
古民具は「何でも鑑定団」の安岡路洋さん、中国陶器は西田さんという人(この人とは滅多に会わない)。
そして、僕の大好きな伊万里焼などの、日本の物は関口幸夫さんに教わった。
でも今日は、古道具に関しての話題ではない。

関口幸夫さんには三人の娘さんがいる。僕が彼の家に遊びに行くと、よく次女の英子ちゃんというのが、
僕達の話している横で、でんぐり返しをしていたものだ。 何しろ小学生の三年生ぐらいだからね。

そして時が移り、何時のまにか彼女はイタリア語の翻訳者になっていた!
イタリア人と結婚したので、それは強みです。
英語、フランス語、イタリア語に堪能なのは知っていたし、
映画などの日本語字幕の仕事についていたことも知っていたが、
まさか幻想文学を、本格的に訳せる迄になっていたとは知らなかった!

幻想文学については、イギリスなどのはある程度知っていたが、イタリアにもこんな変わった作家が居るとは
知りませんでした! 「神を見た犬」というタイトルの文庫本です。
作者・ブッツァ-ティという人で、訳者は関口英子です。
光文社古典新訳文庫、686円ですよ。
読んで下さると嬉しいです。 何しろ関口幸夫氏は僕の絵のコレクターでもあるのです。
宣伝してあげなくては。そう思うでしょう?
それにしても、あのでんぐり返しをしていた娘がねえ-、僕も歳をとるわけです。



2007.08.31


古道具を遣る仲間に、時計を専門に集めている、鈴木三義さんという人がいる。
この人は元英語の教師で、今は親から受け継いだ商人宿・星河屋を遣っているのだが、
色々趣味を持っていて、その一つに日本蜜蜂を飼うというものがある。

実に蜂に詳しい。我が家には勝手に納戸や、玄関にベンチの足として据え付けてある、
ウイスキ−樽に日本蜜蜂が巣を作る関係で、時々遊びに来る。蜜蜂に関する僕の師匠です。

その彼が今回、親の代からの商人宿のお話、「星河屋物語」を、「光芸出版」から出した。初版は8月25日。
本屋には後2〜3日で並ぶ。これは微力ではあるけれど、宣伝してあげなければ!

読んでみたところ、実に面白い!僕は知り合いが出版しても、面白くなければ、他の人には勧めない。
迷惑を掛けるからね。 彼は絵を描いた事が余り無いと言っているが、とても絵柄にあじがある。

本屋で見かけたなら、手にとってみて下さると嬉しいです。


潤 2008 雨の七夕の夜に・舞踏家・吉本大輔 さんの為に


過剰な肉体への、愛故のタナトス 限度を超えたものが美しいとするなら
それは終わりが始まりを意味するという
メビウスの輪を含んでいるから

人間を超えたものが、もしあるとするなら
それに祈りを奉げる時は
舞踏に限らず絵も詩も
命を掛けることは理にかなっている

では、存在しない場合は?

そう、それが今だ抜く事が出来ない
この身に取り残された棘なのだ

もう何十年の間、その棘を除こうとして
もがいたことだろう…

そして気がついた!
棘など抜く必要はないのだ…

この肉体を御覧あれ!
時間と供に大きく成長した棘が今や自分自身で

外の世界に飛び出そうとしている


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