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大きな墓地であの娘に逢った
とても涼しい木陰道

愛があるから、墓石も枕

ほら、あの小さくて二つ並んだ石の下には
きっと訳有りの、愛する二人

そうだ、僕達も逃げようか?
一瞬、二人の顔が輝くが

判っているんだ、そんな事は出来はしない

お前には年老いた母がいるし
僕には可愛い子供達がいる

だから、言い訳の様にこう言うんだよ

「一体逃げ出して何処に住めると云うの?」
「茶碗やお鍋だって無いんだよ、、、」

心配事は山ほどあって、一歩も先には進めない

口を歪めて涙溢れても、誰一人見咎めはしない
ここは墓地、、、、
哀しい雨の降る処


肩を抱きしめ、二人の周りに漂うは
エロス、そしてタナトスの世界

聞こえてくるのは途切れ途切れの
溜息だけで

光と影は打ち消し合って
姿を顕す静かな世界


My story of love 6


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